胃 ろう 適応。 胃ろうの適応と管理

胃瘻(胃ろう/PEG)に関する基礎知識

胃 ろう 適応

「胃ろう」が必要となるのは、具体的にどのような状態にある方なのでしょうか。 また、胃ろうを行うことの目的はどのようなことなのでしょうか。 横浜市立大学総合診療医学准教授の日下部明彦先生に、引き続きご説明いただきました。 胃ろうの適応 どのような方に胃ろうが必要なのでしょうか? 日本消化器内視鏡学会のPEGガイドラインには以下のように記載されています。 必要な栄養を自発的に摂取できない• 正常な消化管機能を有している• 4週間以上の生命予後が見込まれる成人および小児 日本消化器内視鏡学会監修、日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会責任編集「消化器内視鏡ガイドライン第3 版」医学書院. 2006. p311. より このような方には、胃ろう造設を行うことを検討します。 具体的には以下のような病気、病状の方々です。 食べられない、または食べても誤嚥性肺炎を繰り返す• (、)による飲み込みの障害()• ()、等の神経難病による飲み込みの障害• 老衰 自発的に食べない 食べ物が通過しない 口の中の癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、胃癌等による通過障害 癌により食べ物が入ると口の中が痛い 口の中の癌 腸の病気 などの長期の経腸栄養が必要となる方 癌による腸閉塞に対する減圧治療 根本的な治療のないで、頻回な嘔吐を回避するために、胃液を体外に排出するルートのための胃ろう 胃ろう造設の目的 このような患者さん方に胃ろう造設をする目的はなんでしょうか? 本人やご家族は、何を得るために胃ろうという医療処置を受けるのでしょうか? そのあたりをしっかりと共有することが重要です。 全ての医療処置の目的は、• 病気の治癒、延命• 生活の質(QOL)の向上 以上の3つに集約されると言ってもよいのではないでしょうか。 ざっくり述べると、後間もない期間の胃ろう造設は1.救命的な治療法であり、や老衰の患者さんに対する胃ろうからの栄養療法は2.延命治療的と言えるでしょう。 日本において、脳卒中・神経難病・認知症患者931人を対象にした胃ろう造設後の経過を追った多施設共同調査が行われています。 もちろん疾患ごとに分けた検討が必要ではありますが、胃ろうによる栄養療法は長く存命期間が得られた方が多かったという結果が出ました。 なお、欧米の報告で胃ろうによる延命効果は一定の見解が出ていませんが、認知症患者の胃ろう造設は控えるべきと考えられています(胃ろう造設というよりも栄養療法自体を控えるべきという考えです)。 個々の生命に対する考え方・倫理観・介護事情を踏まえ、病状に合い目的を明確にした終末期の栄養療法、そして胃ろうの運用方法を考えていく必要があります。

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胃瘻

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各ガイドライン・指針・提言 に掲載されております、各ガイドラインの認証を撤廃しております。 ご自由に閲覧ください。 但し、本ガイドラインは個人および院内資料としてなど、非商用でのご利用に限り印刷可能です。 企業の方などが、配布用に大量印刷されるような場合は、事前に必ず学会事務局までご相談くださいますようお願いいたします。 名称 注記 公開日 Vol. 62 2020 No. 2 Vol. 62 2020 No. 2 Vol. 61 2019 No. 6 Vol. 61 2019 No. 6 Vol. 60 2018 No. 7 Vol. 60 2018 No. 6 Vol. 59 2017 No. 7 Vol. 59 2017 No. 3 Vol. 57 2015 No. 12 Vol. 57 2015 No. 12 Vol. 57 2015 No. 8 Vol. 56 2014 No. 4 Vol. 56 2014 No. 2 Vol. 56 2014 No. 1 Vol. 55 2013 No. 12 Vol. 54 2012 No. 7 Vol. 56 2014 No.

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【最新医療】がんと「胃ろう」で患者が知っておきたいこと

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1.適応と禁忌• PEGの適応と禁忌を 表1、2に示す。 一般的には、正常の消化管機能を有し、4週間以上の生命予後が見込まれる成人および小児がその適応となる。 本邦には疾患別の適応と禁忌は存在していない。 PEGの適応に関しては 医学的な側面と 倫理的側面から考察する必要がある。 表1 PEGの適応 1.嚥下・摂食障害• 脳血管障害、認知症などのため、自発的に摂食できない• 神経・筋疾患などのため、摂食不能または困難• 頭部、顔面外傷のため摂食困難• 喉咽頭、食道、胃噴門部狭窄• 食道穿孔 2.繰り返す誤嚥性肺炎• 摂食できるが誤嚥を繰り返す• 経鼻胃管留置に伴う誤嚥 3.炎症性腸疾患• 長期経腸栄養を必要とする炎症性腸疾患、とくにクローン病患者 4.減圧治療• 幽門狭窄• 上部小腸閉塞 5.その他の特殊治療 表2 PEGの絶対的禁忌と相対的禁忌 絶対的禁忌• 通常の内視鏡検査の絶対禁忌• 内視鏡が通過不可能な咽頭・食道狭窄• 胃前壁を腹壁に近接できない• 補正できない出血傾向• 消化管閉塞(減圧ドレナージ目的以外の場合) 相対的禁忌• 大量の腹水貯留• 極度の肥満• 著明な肝腫大• 胃の腫瘍性病変や急性粘膜病変• 横隔膜ヘルニア• 出血傾向• 門脈圧亢進• 腹膜透析• 癌性腹膜炎• 全身状態不良• 生命予後不良• 胃手術既往• 説明と同意が得られない 1. 1 医学的にみた適応のアルゴリズム (図1) 図1 医学的にみた適応のアルゴリズム• PEGが適応となる医学的な条件は、PEGが安全に施行できて経腸栄養の効果が期待できることである。 したがって、生命予後がきわめて短い(通常1ヵ月以内)場合や全身状態が極端に不良の場合にはPEGの適応から外れる。 また、PEGはそもそも経腸栄養の投与ルートを造る手術であることから、栄養法として経腸栄養が適応となり、他の胃瘻造設法よりも優れていることが必要条件となる。 医学的にPEGが適応となるまでの過程のアルゴリズムを以下に表記する。 5以下)や貧血(血色素8. 0以下)、重篤な感染症を併発している場合には、それらの治療を優先させるべきである。 なお、静脈栄養は、経腸栄養が施行できない場合に限られる。 使用期間が4週間以上に及ぶ場合には、瘻管法(胃瘻もしくは腸瘻)が適応となる。 PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術:percutaneous endoscopic gastrostomy)• X線透視下経皮的胃瘻造設術(percutaneous radiologic-assisted gastrostomy:RAG)• 超音波下胃瘻造設術(percutaneous ultrasound-assisted gastrostomy : UAG)• 腹腔鏡的胃瘻造設術 laparoscopic gastrostomy:LG• 開腹胃瘻造設術(surgical gastrostomy : SG) がある。 現段階では、PEGが瘻管造設法の第一選択とされているが、症例によっては上記の手技を選択することもある。 2 倫理面を考慮した適応のアルゴリズム (図2) PEGの適応か否かを決定するためには、単に医学的にPEGが適応となるだけではなく、以下に上げる倫理面も考慮した適応基準がきわめて重要となる。 実際、PEGの適応を決めるにあたって、治療を選択する能力がない状況の患者が多いが、突然の外傷や脳血管障害などの予測できないないアクシデントの場合には、患者の意思を確認することは極めて難しくなる。 通常、このような場合には家族もしくは肉親の判断に委ねられことが多い。 しかし、これは治療を自己決定する原則から外れていることを常に念頭に入れるべきである。 したがって、医療者側も患者側もより慎重な対応が要求され、倫理面に十分配慮しながら、医学的な効果を客観的に評価することが重要となる。 仮にどんなに医学的な安全性と有用性が期待できてもPEGの適応とすべきではない。 なぜならばいかなる場合であっても患者の自己決定権が尊重されるべきだからである。 ただし、病気を患うことによって精神的な鬱状態に陥り、正当な判断能力が失われていることは常に留意すべきである。 とりわけ医学的な安全性と有効性が期待できる場合には適切な情報提供が要求される。 1の条件を満たすことが重要である。 しかしながら、倫理的にはいくつもの問題を残している。 Rebeneckら 2)は、臨床的な側面と倫理面から、PEGの適応に関するガイドラインを作成したが、この問題の最も難しいのは、やはり治療を自分で決定できない患者へのPEGをどう考えるかである。 2.PEG適応の問題点• PEGは、開腹手術による胃瘻造設術に比べて侵襲が少なく、経鼻胃管による栄養法や静脈栄養に比べて患者の苦痛が少ないなどの利点から、長期にわたる嚥下障害患者、特に本邦では高齢者患者の栄養補給法として広く行われている。 しかし、嚥下障害のある高齢者では病状が回復し再び経口摂取可能になる患者は少なく、加齢と病状の進行から寝たきり状態になるなどの問題点は少なくない。 しかし、PEGの事前説明としては、PEG後の患者の病状や長期化したときの看護・介護、さらには家族の負担なども含めた社会的側面の情報提供も行う必要がある。 このような場合、基本的に患者の事前の指示書、代理人への指示または推定される患者の意思を尊重すべきである。 患者の意思が不明な場合は家族と相談することになるが、重要なことは何が患者にとって最善かを判断することである。 そして、このような判断にあたっては、関係する医療チームや施設での倫理委員会的組織の意見を求めるなどといった配慮も求められる。 栄養補給が医学的な行為なのか、人間にとって基本的な生命維持行為なのかの根本的な見解は少なくとも本邦にはない。 この問題に関しては、医学界や法曹界のみならず、国民的な問題として審議していく必要があると考えられる。 3.おわりに PEGは画期的な臨床的効果から世界中に受け入れられたが、当然ではあるがPEGは万能ではない。 すべてを解決した訳ではなく、むしろ新たな問題を創り出している。 高齢者や認知症患者が適応の多くを占める本邦の医療環境では、とりわけ問題が多い。 ターミナル期におけるPEGは、直接人の生と死に関わる。 個々の人生に、どのように携わるべきかの一律な正解はない。 消化管は使用でき、栄養補充の期間が長期に及ぶ場合のPEGは、静脈栄養や経鼻胃管による栄養より医学的に明らかに優れた方法論ではある。 それは疑う余地もない。 しかし、PEGへの過度な期待や終わりなき治療は時に不幸を招く。 PEG適応の判断は、医学的な問題に加えて社会的、倫理的な側面を加味する必要がある。 The Standards of Training Committees of The American Society for Gastrointestinal Endoscopy. Principles of Training in Gastrointesinal Endoscopy. 1992. (経静脈、経腸栄養のガイドライン)• Rebeneck L, McCullough LB, Wray NP. Lancet 15 ; 349 9050 : 496-498. 1997. (PEGの倫理的問題の検討).

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