よく分かる糖尿病の治療法と症状【糖尿病の教科書】。 てんかんの症状・診断・治療

基本的な治療法

よく分かる糖尿病の治療法と症状【糖尿病の教科書】

しかし、糖尿病を長い間そのままにしておき、ひどくなると糖尿病の合併症を引き起こします。 糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症を3大合併症と呼びます。 糖尿病に特有の合併症で、血糖コントロールをしないでいると、糖尿病発症時から10〜15年でこれらの合併症が出てくるといわれます。 ちなみに、糖尿病神経障害は、英語で「diabetic neuropathy」と呼びます。 【目次】• 糖尿病神経障害 の中で最も早く出てくるのが 「糖尿病神経障害(とうにょうびょうしんけいしょうがい)」です。 糖尿病神経障害の初期症状として、 「足の裏のしびれ」や 「疼痛(とうつう)」(ズキズキとうずくような痛み)が起こります。 その後、 「手の指の先のしびれ」の症状が現れます。 人によって症状はさまざまで、ひどくなるとケガや火傷の痛みに気づかなくなることもあります。 痛みに気づかなくなるというのは怖いことで、足の痛みが感じなくなることで靴擦れや足の傷ができても気づきにくく、また、 細菌の感染への抵抗力が弱くなることによって、足が壊死してしまい、切断にまで至ってしまうこともあるそうです。 特に足の冷えを感じて、糖尿病の人は、危険なのだそうです。 【関連記事】• そして、神経障害が進むと、知覚神経以外の運動神経や自律神経も障害を受けるようになります。 筋肉の萎縮や筋力の低下、胃腸の不調、立ちくらみ(起立性低血圧)、便秘、下痢、排尿障害、発汗異常、インポテンツ、EDなど、さまざまな自律神経障害の症状も現れます。 糖尿病による腎臓障害で人工透析を始める人も多く、また糖尿病が原因の視覚障害や糖尿病神経障害(手足のしびれ・壊疽など)が発生することもあります。 になると、、、などの目の病気になりやすいそうです。 また、糖尿病の人は、になる可能性が高いともいわれます。 それは、 糖尿病と高血圧の危険因子が同じだからだと考えられています。 その他にも、・ともリスク要因が重なる部分が多いため、注意が必要です。 そして、 HbA1cが高いと動脈硬化が進み、などの危険を高めると考えられます。 糖尿病の改善・予防-食事 糖尿病を予防する食事・生活習慣とは、まずは食べ過ぎないこと。 そして、バランスよい食事をすること。 アディポネクチンを増やす食品は、・を多く含む海藻類、青魚、大豆などといわれています。 お酒を飲むと、血糖値が下がり、食欲が増すと考えられており、つい食べ過ぎてしまうことが多いため、注意が必要。 ブドウ糖は血糖値を上げやすいため、摂り過ぎには注意。 朝食を食べないと、昼食を食べたときに血糖値が大きく上がる。 血糖値を抑える食べ方 1.1口30回噛む 早食いをすると、インスリンの分泌が間に合わないため、急激に血糖値が上昇します。 1口30回噛むこと、つまりゆっくり食べることで血糖値の急激な上昇を抑えることができるというわけです。 2.食物繊維の多い野菜から先に食べる 糖分が食物繊維に絡まり、通常よりゆっくりと吸収されるため、食後の血糖値の上昇を抑えることができるそうです。 3.食後一時間以内にエネルギーを消費する 食後一時間以内に運動や入浴をすると、血糖値は抑えられるそうです。 運動や入浴で汗をかくと、エネルギーとして糖分が消費され、血糖値が抑えられる。 マグネシウム 食事でを摂取している人はになりにくいということが福岡県久山町の住民の健康診断データを21年間にわたって追跡した九州大チームの調査で確認されたそうです。 マグネシウムは豆や海藻をはじめ、精製していない食品に広く含まれています。 厚生労働省は30〜49歳の男性に1日370ミリグラム、30〜49歳の女性に1日290ミリグラムの摂取を推奨していますが、実際の摂取量は男性平均250ミリグラム、女性同224ミリグラム(平成22年国民健康・栄養調査)で下回っています。 【関連記事】 ・ ・ ・ 亜鉛 糖尿病の人はの作用が十分でないため、細胞が十分な量のブドウ糖を血液中から取り込むことができません。 その結果、体のエネルギーが不足し、疲れやすくなります。 すい臓でインスリンを作る際には、が欠かせません。 亜鉛にはインスリンの働きを持続させる働きもあります。 【関連記事】 ・ タウリン には、機能を高め、インスリンの分泌を良くする働きがあると言われ、糖尿病の予防に良いとされています。 マグネシウムとタウリンを多く摂取している人は、高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満が少ないそうです。 なぜ糖尿病を予防するには、食事だけでなく、運動が大事となってくるのか。 運動をしないと筋肉はやせて、体重が少なくても脂肪の多い体になる。 このことを「隠れ肥満」という。 隠れ肥満になると、基礎代謝が減ってしまう。 隠れ肥満だと同じ分量の食事をとっても、基礎代謝、つまり、使うエネルギー量が少ないから、脂肪になる分量が多くなってしまう。 運動をすることで体についたを減らしたり、筋肉をつけて基礎代謝の多い体ができます。 そうすることで、太りにくい身体にもなるのです。 運動を取り入れて糖尿病を予防しましょう。 によれば、2型糖尿病患者の多くが睡眠障害を併発しているそうです。 睡眠不足になると、健康にさまざまな悪影響があります。 睡眠不足がすべての原因とはいえないでしょうが、睡眠不足をもたらす生活習慣によって、太りやすくなりの原因となったり、などののリスクが高まることが考えられます。 によれば、睡眠時間を毎日6時間、あるいはいつもより1時間でも多く睡眠をとった場合は、が9%改善されたそうです。 今後、糖尿病治療に不眠治療を並行して行っていくことが増えていくかもしれません。 【関連記事】• 糖尿病の改善・予防- 糖尿病の症状には、のどの渇く、尿の量・回数が多いなどの自覚症状がありますが、糖尿病だけに当てはまるような特徴的な症状ではありません。 「糖尿病かもしれない」「糖尿病を予防したい」という人には、糖尿病のスクリーニング検査を受けることが重要になります。 スクリーニング検査とは、定期健康診断や人間ドックなどで、検査を実施する段階では自覚症状がない方を対象に行い、隠れた病気を早期発見することが目的としています。 糖尿病のスクリーニング検査は、検尿(尿糖検査)と採血による血糖検査が一般的です。

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糖尿病の症状(初期症状)|糖尿病とは|病気・症状チェック

よく分かる糖尿病の治療法と症状【糖尿病の教科書】

糖尿病になると、私たちの体はいったいどうなってしまうのでしょうか? 血糖値が高いままの生活を続けると、血管がもろく、ボロボロになってしまういわゆる血管病になります。 そして、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて全身の臓器にさまざまな障害が起こってくるのです。 これは、糖尿病の慢性合併症とよばれています。 糖尿病の慢性合併症には、大きく分けると細い血管にみられる合併症(細小血管症)と、太い血管にみられる合併症(大血管症)の2つがあります。 また、慢性合併症のほかに、極度のインスリン作用不足によって急激に起こる急性合併症もあります。 河盛隆造、綿田裕孝 編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ 糖尿病 改訂版 医薬ジャーナル社 ,23, 2017 急性合併症と慢性合併症のどちらも、糖尿病患者さんの生活の質(QOL)と寿命はいちじるしく低下します。 これらはいったん起きてしまうと、元に戻す(治る)ことは大変困難です。 だからこそ、糖尿病は早期発見と早期治療が行えるか否かが運命のわかれ道ともいえます。 糖尿病は慢性疾患の1つであり、治療と自己管理が生涯必要な病気ですが、これらをきちんと行えば、通常の生活をおくることができます。 糖尿病の治療は、患者さんのQOLと寿命を低下させる合併症が起こらないように予防したり、たとえ合併症が起きてもそれ以上悪化しないようにするためにとても大切です。 毎年冬に流行する季節性インフルエンザと違ってほとんどの人がまだ免疫をもっていません。 糖尿病患者さんでは、感染しやすく、重症化しやすいのでとくに注意が必要です。 ~ なぜ? ~• 血糖値が正常な人に比べて、高血糖の人は体内に細菌やウイルスが侵入したときに活躍する白血球の働きが低下しているため、抵抗力(免疫反応)が弱まっています• 一度かかってしまうと治りにくく、重症化しやすくなります• インフルエンザにかかると血糖値が上がり血糖コントロールが難しくなります。 ただし、一時的なものなので、インフルエンザが治れば血糖値はもとに戻るため糖尿病合併症や病気の進行の心配はありません ~ とくに注意が必要なのは? ~• 血糖コントロールがよくない人(HbA1C[ヘモグロビン・エー・ワン・シー]が高い人)• 糖尿病の合併症が進んでいる人• 糖尿病の高齢者• 糖尿病の乳幼児・こども• 糖尿病の妊婦 平成21年度厚生労働科学研究費補助金(特別研究事業) 「2009年度第一四半期の新型インフルエンザ対策実施を踏まえた 情報提供のあり方に関する研究」 研究班:新型インフルエンザ対策(A/H1N1)感染してもひどくならないために 糖尿病または血糖値が高い人へを参考に作成.

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糖尿病治療の専門医による『見て分かる! 糖質オフ』(美容最新ニュース)

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心臓の検査はどんどん楽になる もくじ• 画像診断-画像で体の中の様子を調べる いまや病気の診断や治療に欠かせなくなった「画像診断」-。 それは、目に見えない体の情報、例えば体の中の様子などを、見えるようにして調べる検査の総称です。 1895年にドイツのレントゲン博士が発見したX線を使った写真撮影がその始まりで、おなじみの「レントゲン撮影」には100年以上の歴史があるのです。 画像診断の方法は、その後も次々と高性能のものが開発されました。 中でも1970年ごろに登場したX線CT(コンピュータ断層撮影法)と、少し遅れて現れたMRI(磁気共鳴画像診断法)は、現在の主力選手といえるでしょう。 このようにCTとMRIは決して新しい検査ではないのですが、心臓の画像診断法として注目されるようになったのは、実は最近のことです。 装置や撮影技術の急速な進歩で不得意な部分が改良されて、心臓の検査でも両方法の長所を生かせるようになったのがその理由です。 このページでは、特に話題になっている、CTとMRIの虚血性心疾患への応用について、画像も見てもらいながら紹介します。 画像が難しくてよくわからないと感じられる方もおられましょうが、私たちが患者さんに知っておいてほしいと考える点は文章で説明しています。 画像と文章によって基本的なところを理解していただければ、と願っています。 以下は、これらの検査を受けられる患者さんと、その家族の皆さんに、ぜひ知っておいてほしい最新情報です。 虚血性心疾患の新しい画像診断 心臓から出る大動脈のつけ根のところから、心臓の筋肉に栄養を与える血管、冠動脈(冠状動脈)が枝分かれします<図1A>。 動脈硬化症が原因で、この血管の壁に粥腫(じゅくしゅ、おかゆ状の沈着物)、または動脈硬化斑(プラーク)と呼ばれるかたまりができて、血液の流れる内腔が狭くなり(狭窄(きょうさく))<図1B>、心筋への血のめぐりが悪くなって起きる病気が「虚血性心疾患」です。 これは最も重要な心臓病の一つで、その中には心筋の血流が不十分で胸の痛みを生じる「狭心症」と、冠動脈が詰まって心筋が死んでしまう「心筋梗塞(こうそく)」という病気が含まれます。 <図1C>は画像検査でもよく使われる「短軸断面」と呼ばれる心臓の輪切り像で、心筋の一部に起きたばかりの梗塞のところが描かれています。 そこで虚血性心疾患の診療では、冠動脈と心筋の様子を調べることが欠かせません。 最近、これにCTとMRIが非常に有効なことがわかってきました。 CTで冠動脈を見る検査と、MRIで心筋梗塞を見つける検査の二つが、虚血性心疾患の新しい画像診断として注目を集めています。 図1 虚血性心疾患とは 心筋に栄養を与える冠動脈の血液の流れが悪くなると、狭心症や心筋梗塞を発病する 心臓のCT-冠動脈をCTで見る CTとは CTは体のある断面部分をねらって、多くの方向からスリット状にX線を照射し、そのデータからコンピュータで体のX線輪切り像を作る検査法です。 X線の投影データを集める撮影の作業は「スキャン」とも呼ばれています<図2A>。 できあがったCTの画像では、骨や石灰化部分は白く、空気を含む肺や皮下脂肪などの脂肪組織は黒く、筋肉や血管壁などは灰色に表示されます<図2B>。 血液はそのままでは灰色で、心筋や血管壁とのコントラストが付かないので、血液部分を白く強調するためにヨード造影剤の静脈注射をします。 冠動脈のCT検査でも造影剤の注射はほぼ必須といってよいでしょう。 図2 CTの原理 CTはコンピュータでX線の輪切り像をつくる検査法 最近の進歩-ヘリカルスキャンとマルチスライスCT CT技術の最近の大きな進歩は「ヘリカルスキャン法」と「マルチスライス装置」の登場です。 そしてこの二つの新技術を組み合わせて、薄い断面で広い範囲を撮影することが、短い時間でできるようになったのです。 「ヘリカルスキャン」のヘリカルは「らせん状」のことで、かみくだいていうと、X線管が検査を受ける人の周りをらせん状に取り巻いて動きながら照射し、撮影することになるので、この名前がついています<図3A>。 やや専門的になりますが、正確にいうと、X線管を連続回転してX線を出し続けながら、検査台を移動する撮影法のことです。 ある断面のスキャンと、次の位置への検査台の移動を交互に繰り返す古い撮影法に比べて、スキャンと移動が同時進行のこの方式では撮影時間が著しく短縮されました。 もう一つの進歩は検出器の多列化で、薄い多数の断面の撮影が同時に行えるようになりました<図3B>。 このような装置は「マルチスライスCT」、または「多検出器列CT(MDCT)」と呼ばれています。 検出器の多列化は2000年ごろから一気に加速し、2列、4列、8列、16列から64列装置に至っていて、今後もさらに進むかもしれません。 図3 CT技術の進歩 二つの新技術を組み合わせると、薄い断面での広い範囲のCT撮影が短い時間で行える CTで心臓が見えるようになった これまで、CTは心臓の撮影が苦手でした。 それは心臓がよく動くので画像がブレてしまうためなのですが、この問題はスキャンの高速化と、心電図に合わせたデータ収集法によってほぼ解消されています。 マルチスライス装置で、心電図に合わせて撮影する「心電図同期ヘリカルスキャン」を行うと、薄い画像の積み重ねで心臓の静止三次元データを得られるようになりました。 <図4A>は心臓全体をカバーする多くのCT画像の一部です。 そしてこのデータをうまく表示してやると、心臓や冠動脈の様子が<図4B>のように立体的に診断できるようになったのです。 冠動脈は大動脈に近いところでも4mmほどの太さしかないのですが、CTの画像は1mm程度のきめの細かさがあるので、冠動脈の主要な部分の狭窄は十分に調べられます。 図4 心臓のマルチスライスCT 薄いCT断面を積み重ねた体積データを使って、心臓や冠動脈の三次元画像診断ができる 冠動脈のCT血管撮影-狭窄診断能力はカテーテル法にほぼ匹敵 心臓カテーテルの時に冠動脈の入り口にカテーテルを入れてヨード造影剤を注入し、X線撮影を行う方法-これが最も信頼性の高い冠動脈狭窄の検査です<図5A>。 ただ、足の付け根や手の動脈に針を刺してカテーテルを入れる必要があるので、負担の軽い検査ではありません。 <図5B>をご覧ください。 今では、造影剤を静脈注射するCT血管撮影(CTA)でもカテーテル法に近い画像が得られます。 CTでは血管壁の石灰化プラーク(すでに説明した動脈硬化斑と呼ばれるかたまりに石灰が付いたもの)や、ステント(冠動脈の狭くなった部分を広げておく金網状の筒)が白く見えすぎて、その部分を調べにくいのが欠点ですが、おおよその血管の様子は同じように見えていることがおわかりいただけると思います。 またCTには冠動脈の長軸に沿う曲がった断面や、輪切り断面での表示法もあって、これも狭窄の診断に非常に有効です。 <図6A>は左冠動脈が途中でほぼ完全に詰まってしまっている例、<図6B>は左冠動脈の入り口に軽い狭窄がある例の、冠動脈長軸を含む断面表示型のCTAです。 では、冠動脈CTAの診断はどれくらい正確なのでしょうか。 16列マルチスライス装置を使ってカテーテル法と比較した報告では、CTAの狭窄診断精度は90%以上とされ、最近の64列装置ではさらに少し精度が向上しています。 また100%に近い「無病予測率」がCTAの特徴です。 具体的にいうと、CTで「冠動脈狭窄がない」と診断した場合はまず大丈夫、という意味です。 図5 冠動脈狭窄を調べるには 同じ症例を二つの方法で撮影。 冠動脈の狭窄は、二つの撮影法でほとんど同じように見つかっている 図6 断面表示による冠動脈CTA 断面表示型のCTAでは、冠動脈の内腔の狭窄とともに、冠動脈の壁の様子もわかる CTで冠動脈壁を見る-不安定プラークの診断 CTAには、カテーテル法ではわからない冠動脈の異常が診断できるかもしれない、という期待もあります。 <図6>の断面表示型のCTAでは、内腔のほかに冠動脈の壁の様子も見えていて、例えば<図6B>では大きなプラークが狭窄の原因となっていることがわかりますが、これはカテーテル法では見えないところです。 最近、このような冠動脈壁が注目される背景には、心筋梗塞の起こりかたについての考え方の変化があります。 昔は、心筋梗塞は冠動脈の動脈硬化が進んで狭窄が強くなり、そのなれの果てに起きるものと考えられていました。 もちろんそういった場合もあるのですが、最近では、まだ狭窄が軽いうちに脂質を含む軟らかい動脈硬化プラークが破綻して血栓ができ、それが冠動脈を閉塞して梗塞を引き起こすほうがずっと多いことがわかってきました<図7>。 そこで、このような破綻しやすい「不安定プラーク」を前もって見つけることができれば、心筋梗塞の発症予防につながる可能性があります。 CTで脂肪は黒く見えるので、プラークの大きさだけでなく、中の性状もわかるのではないか、と期待されていて、CTAによる不安定プラーク診断の研究が進められています。 図7 心筋梗塞の起こりかた 心筋梗塞は、まだ狭窄が強くないときに軟らかいプラークが破綻し、そこにできた血栓が冠動脈を閉塞して起きることが多い 心臓のMRI-心筋梗塞をMRIで見つける MRIとは 次は心臓のMRIの話です。 本題に入る前に、MRIはどのような検査かについて、簡単に触れておきましょう。 MRIでは、まず地球の磁気の数万倍の強さをもつ磁石を装備した筒状の装置の中に体を入れ<図8A>、次にラジオの周波数帯の弱い電波を照射して、体のある断面の中に含まれる水素の原子核に電波のエネルギーを吸収させます<図8B>。 そして電波の照射を止めると、吸収されたエネルギーは放出されて元に戻り<図8C>、そのときに得られる信号をコンピュータで画像化します<図8D>。 理屈は複雑ですが、簡単に言うと磁石と電波を使って水素の原子核の状態を絵にする方法です。 なおMRIでは電波を当てるたびに機械の振動音が発生し、それがかなりやかましい場合もあります。 ただ、この検査は放射線を使わないので、「被ばく」の心配はありません。 画像の特徴-断面の自在性と多彩なコントラスト MRIの断面、つまり電波のエネルギーを吸収させる場所は、機械の操作で自由に決められるので、断面が自在に設定できます。 これがMRI画像の特徴の一つで、<図8D>はちょうどCTと同じ体の水平横断の輪切り像です。 画像のコントラストが多彩なこともMRIの特徴です。 CTでのヨード造影剤と同じように静脈注射で使うMRI用の造影剤はガドリニウム造影剤で、病気の部分にコントラストをつけるのに使われていますが、その効果はCTのヨード造影剤よりさらに強力です。 そして心臓では心筋梗塞の場所が造影されて白く光ること-つまり「遅延造影効果」と呼ばれる見え方が今、話題になっています。 図8 MRIの原理 MRIでは強い磁石と弱い電波を使って水素原子核を画像化する MRIの遅延造影効果-非常に鋭敏な心筋梗塞の指標 <図9>にその遅延造影効果の例をお示しします。 心筋梗塞の方の心臓の輪切り像、ちょうど<図1C>と同じ「短軸断面」のMRI画像で、ガドリニウム造影剤を注射して10分以上たってからの撮像です。 白く光る心筋梗塞のところは、<図9A>では左心室の壁の厚さ全体を占める「貫壁性」なのに対して、<図9B>では壁の左心室に面する部分に限られる様子がよくわかると思います。 <図9A>の例は心筋梗塞の場所も<図1C>の模式図にそっくりですね。 ガドリニウム造影剤を注射して数分以上経過すると心筋梗塞の場所が白く染まってくる現象は、実は20年前からわかっていました。 それが最近の撮像法の改良ではっきり見えるようになってリバイバルし、大ヒットになりました。 血のめぐりが悪いはずの梗塞部がよく造影されるというのは不思議な気がしますが、これは心筋細胞が死んで数が減り、造影剤がゆっくりと広がってたまる細胞外の隙間(すきま)が正常の心筋よりずっと広くなったためと考えられています。 心筋梗塞の遅延造影の第一の特徴は、梗塞の検出感度の高さで、例えば左心室の内膜側や右心室などのわかりにくい場所にできた梗塞でも、ほぼ100%見つけることができます。 第二の特徴は遅延造影と実際の梗塞の大きさがよく一致することです。 このため<図9B>の例では、心室壁の左心室に面した遅延造影部分の外側に、梗塞になっていない「生きた」心筋が残っているのがわかります。 ですから、例えばその場所の心筋の収縮が悪くても、カテーテル治療や手術で冠動脈の血流を改善してやれば、働きの回復が期待できることが、この画像から言えるのです。 造影MRIでは心筋梗塞の重症度もわかる 遅延造影効果は心筋梗塞の広がりをよく表すので、その大きさや心室壁内の分布から重症度を判定できることは当然なのですが、起こったばかり、つまり急性期の心筋梗塞では、MRIの造影効果は典型的な遅延造影だけでなく、重症のものとそうでないものに違いがあることがわかってきました。 <図10>はある心筋梗塞の方の急性期と慢性期での遅延造影MRI検査の画像で、<図9>と同じ心臓の短軸断面像です。 急性期の心筋梗塞での最も重症の心筋傷害のパターンは、<図10A>のように梗塞部が十分な遅延造影を示さないもので、中心に造影されない黒いところがかなり大きく残っています。 このような造影パターンの場所は、慢性期には強い傷跡の状態になってしまって、心筋が薄く、収縮の働きがなくなるのが普通です<図10B>。 つまり梗塞心筋の慢性期での回復状況が、急性期の造影MRIである程度、予想できることになります。 CT、MRIともに検査を受ける人にとって負担が少ない「低侵襲(ていしんしゅう)的検査」といわれています。 ここで紹介した心臓の検査は、体のほかの場所の検査に比べて少し手が込んではいますが、例えばカテーテル検査に比べると安全で、ずっと楽なことはまちがいありません。 冠動脈のCTと心筋梗塞のMRI検査に共通した問題点はなんでしょうか。 気になるところは、造影剤の副作用です。 ヨード造影剤で約3%、ガドリニウム造影剤で1%程度に、むかつきや嘔吐(おうと)、じんましんなどが出ることがあり、重症の副作用は数千人に1人、死亡は数十万人に1人と言われています。 過去に造影剤で副作用のあった方や喘息(ぜんそく)の患者さんは、ない場合に比べてずっと副作用が出やすいので、そのようなことがあれば必ず申し出てください。 冠動脈CT検査の問題点は、X線の被ばくが普通のCTより多いことで、撮影の仕方によってはカテーテル検査の時のX線撮影に匹敵するか、さらに多いとの意見もあります。 もちろん、すぐに障害が出るような被ばく量ではありませんが、被ばくを減らすための装置や撮影法の改良は、今後も続ける必要があるでしょう。 MRIはペースメーカ装着者の検査ができないなど、対象者が制限されることが問題ですが、これは心臓や心筋梗塞のMRI検査だからというものではありません。 現在のところ、地磁気の数万倍という強い磁場にさらされることによる人体への悪影響は確認されていません。 ただ、体内に金属異物があると、体に障害が出る可能性があるので、これも必ず申し出て下さい。 CTとMRIは心臓病の診療に大きな進歩をもたらす 「古くて新しい」心臓のCTとMRIについて紹介してきました。 冠動脈のCT検査は、かなり信頼性の高いことがわかってきたため、カテーテル検査に代わって冠動脈の病気の診断から経過観察まで、広く使われようとしています。 また心筋梗塞のMRI検査も非常に感度が高いので、梗塞の診断だけでなく、その重症度判定や経過の予測にも使用できることが確認されています。 心臓の低侵襲的な画像診断法には、ほかにも超音波検査や核医学検査などの優れた方法があります。 それらに新しいCTとMRIを加えてうまく役割を分担すれば、「より優しい検査で、より高度の診療」を提供できるはずです。 ここで解説しました二つの検査には、心臓病の診療に大きな進歩をもたらす可能性があると考えています。

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