ホルガ村。 『ミッドサマー』のホルガ村、“ホルガ”に隠された伝説が恐ろしすぎる

映画『ミッドサマー』の舞台「ホルガ村」の衣装や装飾を再現した鑑賞会が最高に楽しそう

ホルガ村

フォークダンス・社交ダンスの演目「ハンボ Hambo」にもよく使われる。 ホルガ山のふもとにある。 この曲のストーリーは、スウェーデンのホルガ山で起きたというある伝説が元になっているのだが、その伝説では、ホルガの若者たちを惑わせ死へと導くフィドル奏者が登場するのだ(詳細は後述)。 ある土曜の夜、ホルガ村の若者たちが集まってダンスを楽しんでいた。 写真:ホルガ山 登山口/出典:MRSODERQVIST The Dark Side of Oz すると突然、ダンスの途中で音楽が止まり、フィドルを持った怪しい男が暗闇から現れた。 その男は大きな黒い帽子をかぶり、目には燃え盛る炎をまとっていた。 男はフィドルを構えると、今まで誰も聴いたことがないような妖しげな旋律を奏で始めた。 若者たちはすぐにメロディを気に入りダンスを再開したが、踊りだした後で、皆ある異変に気が付き始めた。 踊り始めたのはいいものの、止めようと思ってもダンスを止められないのだ。 怪しいフィドル奏者が音楽を止めることはなかった。 夜中続く妖しげな演奏に合わせて、若者たちは意思を奪われた人形のように踊り続けた。 ついに夜明けが近づいてきた。 フィドル奏者が演奏を続けながら移動を始めると、若者たちも踊り続けながら一列になってその後をついていった。 彼らはもはや男の操り人形と化していた。 教会から朝の鐘が鳴り響く頃には、フィドル奏者も若者たちもその場から姿が見えなくなっていた。 物陰に隠れていた一人の女の子を除いて。 たった一人の女の子は、怪しげなフィドル奏者の正体にいち早く気が付いていた。 よく見ると男の足はヤギのヒヅメになっており、それはヤギの体をもった(キリスト教における)悪魔のバフォメットだったのだ。 女の子は皆に「踊ってはいけない!」と警告したが、誰も彼女の声に耳を傾けなかった。 気が付いた者もいたが、悪魔の音楽に合わせて踊り始めてしまってからでは為すすべもなかった。 悪魔に操られていった若者たちは、みな村の近くのホルガ山に連れられて行った。 そこではみな死ぬまで踊らされ魂を抜かれ、あとには骨だけが残されていた。 ホルガ山のどこかには、まだその現場にダンスの輪の跡が残されているというまことしやかな言い伝えも残されている。 もしあなたに勇気があれば、満月の夜にホルガ山に登ってみるといい。 きっとそこでは、悪魔が若者たちに演奏していた曲を耳にすることが出来るだろう。

次の

映画『ミッドサマー』ネタバレ考察。ラストで本作が伝えたかったこととは。【感想】

ホルガ村

あらかじめご了承下さい。 夏至前後に「白夜」が訪れる北欧。 スウェーデンではシーズンになると、各地で伝統的な「夏至祭」が開催される。 クリスマスのように家族が集まり、ニシンやベリーを食べて過ごし、ポールを建てて、手に手をつないで、その周りをダンスする人々。 平和で和やかな光景だ。 でも、ちょっと待ってほしい。 そのポールをよく見ると、かたちが男性器のシンボルになっているのだ。 そう、日本でも各地で見られるように、農民が五穀豊穣を祝うため男性器を崇めるという、伝統文化に根ざした祭りが、スウェーデンにも存在するのである。 何も知らずに初めて夏至祭に参加して、その事実に気づくと内心ギョッとしてしまう人もいるのではないだろうか。 『ミッドサマー』予告編 このような古くからの風習をエンターテインメントとしてエスカレートさせ、恐怖映画にしてしまったのが、本作『ミッドサマー』だ。 今回も、とんでもないシーンがいくつも用意されていて、監督の前作に魅了されたファンも期待できる内容となっている。 90年に一度の祝祭に参加する学生たち。 村からの歓迎ムードの中に感じていたかすかな違和感が、世にも恐ろしい事態へと発展する 主人公は、ある事件によって家族を失った、アメリカ人女性ダニー(フローレンス・ピュー)。 彼女が頼れるのは、いまとなっては恋人の大学生、クリスチャンだけだ。 彼が交換留学生ペレの誘いでスウェーデンに出かけると聞いて、事件によって精神的に不安定になっているダニーは、彼ら男子大学生たちと合わせて5人で、いまだ土着の文化が残るという、人里離れたホルガ村を、夏至の時期に訪れることになる。 この年は夏至祭が行われると同時に、ペレによれば90年に一度、9日間だけ行われるという、珍しい「浄化の儀式」が見られるのだという。 All Rights Reserved 村人たちはフレンドリーで、滞在するダニーたちを歓迎し、祭りに参加することを許してくれた。 だがダニーは、折々に違和感を感じ、村に異様な雰囲気が漂っていることに気づいていく。 それは少しずつ膨れ上がり、世にも恐ろしい事態へと発展していくことになる。 アナログな恐怖と、スウェーデンの土着信仰への憧れ。 アリ・アスターのルーツを辿る作品 上述したこの作品のストーリーは、同種のホラー映画『ウィッカーマン』(1973年)に非常に近く、おそらく影響を受けているものと思われる。

次の

『ミッドサマー』を酷評!ラストの真の意味テーマ考察!あらすじネタバレ独自解釈・感想

ホルガ村

『ミッドサマー』はアリ・アスター監督の恋人に振られたという経験に着想を得た物語です。 それと同時に製作側から「スウェーデンを舞台にしたホラー映画を作って欲しい」と頼まれたことから本作の製作に至りました。 こうした経緯から、 『ミッドサマー』はスウェーデンおよび北欧の神話や風習を徹底的に調べて作り込まれています。 正直見ている最中に北欧神話との紐付けをする余裕はありません(笑) ぜひ映画を観に行かれて、その後でネタバレをお読み下さい。 今作でアリ・アスター監督作品に目覚めた人は『』も見てみると、監督の思想がより理解できるでしょう。 この記事は以降ネタバレを含みます。 ディレクターズカット版の考察も追記しました。 スウェーデンではマイストングなどと呼ばれています。 なのでメイクイーンも「白樺の葉の女王」といったところでしょうか。 以下は公式のネタバレです。 他の国では5月の女王という意味で「メイ・クイーン」になるようですね。 いろんな国の風習混じっているのが分かりますね。 略 5月1日の祝日「メーデー」(May Day)の日に、イングランドやカナダのブリティッシュ・コロンビアでは、この祝日のお祭りで「メイ・クイーン」に選ばれた若い女性が、処女性のシンボルである白いガウンを着て、花飾りのついた冠をかぶってお祭りのパレードの先頭を歩く。 また、若さと春を祝う「メイポール・ダンス」の前にスピーチを行うという。 (略) 引用元: メイポール・ダンスについて ダニーがメイポールの周りでホルガの女性たちと ダンスを踊ります。 映画ではメイポール・ダンス(そのままですね笑)と言われています。 実際はスモークロドーナというダンス。 老若男女がカエルの鳴きマネをしながら、飛び跳ねて回る可愛らしいダンスです。 食事について スウェーデンのミッドサマーの食事はほとんどメニューが決まっています。 主食のじゃがいも、ニシンの塩漬けなど… そして最後のデザートは決まっていちごです。 劇中でもアッテストゥパンの前の食事でじゃがいもが別皿に盛られています。 ニシンはメイクイーンが幸福を呼ぶらかと尾っぽから食べる決まり。 食事もかなり現実に近い素材が使われていますね。 流石に陰毛入りパンケーキなんかはありませんが、実は 恋愛のおまじないがスウェーデンのミッドサマーにはあるのです!!! 恋愛のおまじないについて 恋愛のおまじないは映画にも出てきましたね。 劇中でもサイモンとコニーが質問をして恋のおまじないのタペストリーの解説を受けています。 その時に枕の下に薬草をしいて意中の人と結ばれる夢をみる絵があります。 マヤもクリスチャンの夢を見たのでしょうか。 『ミッドサマー』のマヤの寝床の枕元に草花が置かれていましたね。 現実のおまじないは可愛らしいですが、映画ではその先が恐ろしいですね。 ミッドサマー 熊の伏線を考える ミッドサマーで一番注目して欲しいのは熊!!! 家族が死んで落ち込んでダニーはベッドに横になっていた場面で、壁には熊の絵がかかっています。 この絵は ヨン・パウエル Johon Bauer の「哀れなクマさん Poor Little Bear 」という作品です。 冠を被った少女がクマに口づけをしています。 この絵はまさにホルガ村での結末を暗示しているかのようですね。 壁画にも焼かれる熊が描かれていますし、実際に檻に入った熊も用意されています。 そして、最後にはクリスチャンを熊の中に縫い付けて焼いてしまうという…。 熊はフィンランドの国獣でもあります。 また、映画の中でも話に出てきたヴァイキングは熊を崇拝していましたし、戦士たちは熊の皮を着て戦ったとも言われています。 そういったいみでは熊は北欧文化において高貴な生き物ともいえるでしょう。 では、なぜ生贄に着せるのでしょうか? それはクリスチャンがホルガに種を提供したからでしょう。 フィンランドでは実際に熊祭が行われていたとされており、 熊祭は「婚姻」と呼ばれていました。 熊祭の内容は、 熊を殺し、頭蓋骨に酒をついで飲み、今後の狩猟が成功するように願うものです。 この祭の舞台では雌熊には花婿が選ばれました。 熊を縫い付けられるのは、ホルガに種を残した外来人。 つまり 種の提供という意味で花婿となる為にやってきたクリスチャンに他ならないのです。 もしかしたら、種を残してくれてありがとうという意味もあるかも…? シャーマニズム的な死者の扱いかた ミッドサマーでは魂や先祖について多くのシーンがあります。 ホルガでは小さな共同体で、ある程度バランスの良い人口を保つために人の生死を調整しています。 崇拝の対象となるのは先祖全体。 子孫はその先祖達の仕事を続け、希望を叶えることに意味があるとされていました。 死者の埋葬に関わる儀式は、死者に対する別離・移行・一族の組織の再編成の儀礼とともに、残された人々の組織を再編成するために行われました。 アッテストゥパンの意味 アッテストゥパンという言葉は 「崖」を意味します。 『ミッドサマー』をご覧になった方なら、儀式にぴったりの名前だと思われるでしょう。 72歳で生涯を閉じ、新しい生命として生まれ変わるとされているホルガ村でアッテストゥパンはどのような意味をもつのでしょうか? ホルガのアッテストゥパンを含めたミッドサマーは、 ホルガの再編成のための儀式です。 死者は新しい命として生き返る。 ホルガの人々にとって儀式で死ねなかったものは「可哀そう」だからハンマーで殴り殺すという過激な思想も、生きているものが先祖の仲間入りを果たすための手助けに過ぎないのです。 アッテストゥパンひとつとっても北欧の死生観が強く反映されていることが分かりますね。 学生同士の仲の悪さ ダニーを含めた一行はいつもつるんでいるものの、仲が良いわけではありません。 今回の旅行もペレが外部の種をホルガにもたらすために「外国で性的な意味でのハメを外したい」と思っていた一行に目をつけました。 ジョシュは博士論文のためにホルガの文化の調査をするという目的がありました。 しかし、それも裏目にでてホルガに興味を持ったクリスチャンが題材の盗用をしようとしたことで仲に亀裂が入ります。 そもそも、研究者として大切な第一歩となる博士論文の題材をパクるという行為は常識的に考えてあり得ないことです。 クリスチャンは先に研究を進めていたジョシュを出し抜こうとまでしているのだから、ジョシュが怒るのも無理はありませんね。 この一行のバラバラ感が、より一層ホルガの共同体としての強い繋がりや共感を強調しているように思えました。 ミッドサマーのディレクターズカット版考察 『ミッドサマー』ディレクターズカット版の考察を追加しました。 DC版ではいくつかのシーンの追加と、モザイク処理の除去がありました。 クリスチャンから余計な助言を受けるより、女友達のほうが素直に自分の気持ちを吐露できているようです。 ディレクターズカット版で追加された車移動中のシーン。 誕生日の一日前にダニーは女友達からメッセージを受け取っています。 「一日早いけど、誕生日おめでとう」 わざわざ一日早く送ってくるのはなぜでしょうか? きっとダニーのことを心配しているからでしょう。 家族を失って、クリスチャンとの仲も上手くいっていないなか異国で迎える誕生日。 普段の誕生日ならきっと楽しいものになるはずです。 しかし、今のダニーはとてもナーバス。 落ち込んでいる時は誕生日が憎く思えるものです。 誕生日の日にダニーが自殺でもしないか心配して、一日前にメッセージを送ってきたのではないでしょうか? こんなに気にかけてくれる女友達がいながら、それでもダニーはクリスチャンへの執着を捨てきれないのです。 クリスチャンの博士論文問題 通常版ではアッテストゥパン後に突然 「俺もホルガについて博士論文書くわ」 とジョシュに宣言したように見えました。 しかし、ディレクターズカット版での追加シーンでその全貌が分かりました。 ジョシュは「The Secret Nazi Language of the Uthark」という本を持っており、 主にルーン文字について、そしてルーン文字にまつわる国や風習について興味を持っていることが分かります。 この本をみてダニーはクリスチャンに 「あなたの論文のテーマと似てるわね」 と話しかけます。 つまり クリスチャンはダニーに北欧文化に関する論文をかくというアバウトなテーマを伝えていたのです。 ただしクリスチャンの博士論文に対するモチベーションは低く、 ジョシュ曰く「博士課程にもなって、大学の電子図書館の使い方も知らない」程度のやる気。 それにも関わらず、八方美人なクリスチャンはホルガの人々に溶け込もうと取材に余念がないのです。 なんならジョシュよりも積極的に動いているのが怖い…。 そしてダニーが言うように、二人の論文のテーマが被ったのは必然です。 なぜなら ペレが皆に北欧文化およびホルガについて興味を持つように仕向けたから。 マヤにあてがうクリスチャンと、メイクイーンになるダニーを連れてくることに成功したペレ。 彼の審美眼と洗脳能力は最強すぎる説ありますね…。 池の儀式の生贄 池の主に生贄をささげる儀式の場面がDC版では追加されました。 この儀式は夏至祭のものではありません。 そのため通常版から削除された可能性もあります。 その後、「生贄が足りない」と言い子供が志願するもののダニーが止めに入り周囲が同調する。 それにより子供は生贄にならずに済む…という流れ。 この儀式は冬至に由来します。 画家カール・ラーションの描いた『』には北欧神話をもとにした内容が描かれています。 この絵の元になったのはウプサラの神殿についての儀式です。 神殿には泉があり、そこでは信仰者たちが生きたままの人間を生贄と捧げ鎮める。 生贄が浮いてこなければ願いが成就される。 というものです。 この絵に描かれている笛を吹く男は『ミッドサマー』にも出てきますね。 ウプサラの神殿もクリスチャンとジョシュが論文で言い合うシーンの背景に壁画が映り込んでいます。 以上のことから 池での儀式は冬至に由来するものと考えられます。 そして、この儀式で犠牲になったのはコニーです。 通常版では最後に水死体のコニーがいきなり出てきて「なぜ?」となりますが、DC版でこのシーンが追加されたことで疑問が解決されました。 犠牲になった人々 『ミッドサマー』で犠牲になったのは、メイクイーンになったダニーを除く5人です。 ホルガのミッドサマーに参加した外部の者はもれなく殺される運命にあると考えられます。 ただし、ホルガには白人しか存在しません。 彼らは外部からの種も選別しているのです。 劇中でホルガの女性と接触した男性はマークとクリスチャンだけです。 一方でジョシュ、サイモンは接触していません。 そして彼らを殺すのもホルガ的には正当な理由があります。 自分の役割を全うすることを求められるホルガで、二人は役割を全うできなかったと言えます。 人数がぴったり9人になるのが都合よすぎる感じもしますが、 ホルガ村なら無理やり数調整をすることもたやすいように感じますね。 ミッドサマー考察・感想 まとめ 映画『ミッドサマー』の考察・感想はいかがでしたか? ディレクターズカット版と通常版で印象が違ったかと思います。 では90年に一度の夏至祭としてダニー達の参加した祭は催されていました。 実際にはそれは呼び込みの文句で 毎年開催されているのではないかと考えられます。 壁に飾られているメイクイーンの写真は40枚程。 そのうち白黒とカラーが半々。 ホルガの儀式を外部に持ち出さないためにフィルムではなくインスタントカメラを利用しているとして、1960年からカラーがインスタントカメラに導入されたこと考えて、すぐにホルガ村に入ってくることは難しいと思うので時差を考えても一年に一回開催の線が妥当と思われます。 ディレクターズカット版ではホルガ村二日目の夜のダニーとクリスチャンの喧嘩の場面が追加されており、より恋愛映画の体を増しています。 ダニーのすることすべてが自分を批判しているように見えているクリスチャンと、心の奥にはそんな気持ちがあるものの実際の行動には出していないので困惑するダニーという関係がよりリアルになりました。 ダニーがメイ・クイーンになったのは偶然かもしれませんが、クリスチャンの浮気を目撃し崩れ落ちた時のホルガの女たちの共感能力は確実にダニーを救うきっかけになりました。 冒頭にはダニーの家族があっけなく亡くなり、後半ではホルガという家族のような共同体がダニーを救います。 この映画では家族、または家族的なものに対する嫌悪が感じられます。 アリ・アスター監督はどうやら家族という共同体が嫌いなようですね。 映画『ヘレディタリー』でも家族の崩壊とカルト宗教を描いています。 ホルガの住人はどこか奇妙で怖いですし、ダニーは一人の人間として生き返ることができましが、それは偽りの家族によってです。 家族は一つの宗教になり得るのです。 親の思想は子供の思想に影響を与える。 一般的にみると異常な思想でもそれが個人にとって救いにもなる。 主観的な救いは必ずしも周囲から祝福されるわけではないけれど、ホルガではみんなが祝福してくれるという共感の構造は女性ならではの感性なのでしょう。 男女で感想が違うのは共感を重視するか否かと関係があるのかもしれませんね。 ついに、ついに『ミッドサマー』の円盤が発売されました!! これで何回でも見返すことができますよー!!!!! 『ミッドサマー』の考察ポイントはまだまだあると思うので、是非映画を見返して映画『ミッドサマー』への理解を深めましょう!!.

次の